未来に残したい風景
私たちの想い
波板が目立つ、長屋が軒を連ねる集落。
古びた下町の風景に漂う不安感。
この場所もかつては「新しい」ときがあった。
活気があった。人々の夢があった。希望に満ちていた。
歴史のない場所などない。
人も建物も年をとる。
人生にリセットボタンがないように、建物の歴史も、無かったことにはできない。
今もそこで、今を生きている人々がいる。
古くなれば全て取り壊して、新たにきれいな建物をつくる。その時代に合った建物を。
それを繰り返していくのが、正しいのだろうか?
それも正解なのかもしれない。
きっと答えはない。
ただ、私たちは、この風景を未来に残したいと思う。
まちを新しく変えるのではなく、
まちの歴史やそこで暮らす人々の想いを残していきたいと切に願う。
過去のような 未来のような
時空を超えたまち。
琥珀街プロジェクトについて
古い長屋やアパートをリノベーションして、まちに安心感や落ち着きをもたらし、そこで暮らす人々の想いを大切にしながら、ぬくもりや懐かしさを補完するプロジェクト。
♦琥珀街とは♦
コンセプトは、「過去のような 未来のような 時空を超えたまち」。
誰かが作った、仕上げられた空間ではなく、「地面から雑草のように生えてきた生命力溢れるアジアのまち」。ここはもちろん日本なのだけど、アジアのまちの活気溢れる雑踏に混沌とした情景、つくられた感動ではなくて、そこに在るべくして在るもの、そういったイメージでまちを育てていく。
現在ある風景や空気感を壊さず、歴史やそこにあるリアルを大切にしながら、より安心して暮らせるまちに育てる。
そのためには、すべてを新しくして、きれいに見せるのではなく、今はもう見ることが少なくなった昔ながらのマテリアルを生かしつつまちを整えていく。
夜は、琥珀色の照明でまち全体を照らし、安心感や落ち着き、あたたかさ、 懐かしさを補完する。
♦街人(まちびと)とは♦
琥珀街で暮らす人々のこと。
私たちと一緒に、まちを育ててくれる方々の愛称。
私たちは、前述にあるような想いと、シンプルなハコを提供します。
街人自らが考え、創るコトを基本としているため、私たちは必要以上に手を加えていません。街人の自立性や感性に委ねています。
*リノベーション予定の物件の街人(入居者)を募集しています。
♦プロジェクトネーミングとロゴ♦
琥珀のように積み重ねた年月から生まれたものを大切にしたい。琥珀のようにあたたかで柔和な色でまちを包みたい。そんな想いから琥珀街とネーミングしました。
ロゴは、路地に見立てた「乾」の文字を琥珀のように揺らめくあたたかな美しい灯をイメージしたフレームで縁取りました。
乾とは、乾町(いぬいちょう)から取ったもの。
本プロジェクトの第一弾となる、大阪府吹田市南吹田の一角の通称。かつて大阪が東京を凌ぐ勢いで、商いの町として産業が発展していた時代に活躍した実業家・乾新兵衛が創業した乾製紙株式会社によって栄えたことがきっかけで乾町(いぬいちょう)と呼ばれるようになったという歴史があるのです。
琥珀のように歴史を重ねて。
乾町に敬意を込めて。
琥珀色のあたたかな灯が、一灯一灯増えていくことを願いながら・・・